『ぼくどこからきたの?』ピーター・メイル 訳:たにかわ しゅんたろう
所謂性教育の絵本なんだけど、ちょっとヘンテコな絵で、易しい言葉で、でもずばりと必要なことが書かれていてすばらしい。息子も気に入って何回も読んでいる。
副題というか、表紙の下部に宣伝文句のように添えてある言葉がふるっている。
あるがままの いのちのはなし。ごまかしなし、さしえつき。
これだ!!と思って即借りた。
もうすぐ水泳の授業が始まる。水着になるから、今までよりも自分や他人の体に興味を持つかもしれない。
学童にも入ったし、他の託児を利用することもあるし、だんだん親離れしている息子だから、私の目が届かない時間もずいぶん長くなった。考えたくはないけど、どこに悪い大人や先輩や友達がいるか分からない。
被害だけでなく、加害の可能性だって考えておかないといけない。ちょっと触ってみちゃった、とかちょっと興味があって覗いてみちゃった、とか。うちの子に限ってそんなこと、とは言えない。
性教育的なことは断片的には教えてきたけど、そろそろ核心(?)を教えた方がいいなと思って、図書館で探して出会った本。あの飄々としつつ真実を語るたにかわしゅんたろう氏のおすすめなら間違いない!とめくってみたら最高の内容で迷わず借りてきたのだった。
一番よかったのは、性器の名前と役割を明示していること。特に女性器。
我が家は息子なので「なんでママにはおちんちんがないの?」「女の人はおしっこするときどうするの?」なんてよく聞かれる。その都度「おちんちんがないだけでおしっこが出る穴はあるんだよ」と教えてきたけど、はっきりした名前をなんと教えたらいいか正直困っていた。この本で一発解決。
あとはこどもをつくることは愛し合うことで、幸せで気持ちいいことで本能的なこと(というか自然なこと)とわかる書き方もすてきだった。
前半はちょっとどきどきしちゃう内容だけど、受精してからお腹の中で育つ様子も書いてあるから、こどもは後半自分事として読める。セックスについてだけ書いてあるのだと、こどもには現実味がないかもしれないけど、後半に赤ちゃんの成長が細かく書かれているから「あなたが生まれるまでの物語だよ」としっかり感じられる。
本当にごまかしなし。
看板に偽りなし。
息子は「わー、裸んぼの絵が描いてある」なんてくすくす笑いながら自分で読んでから、「ママ読んで」と持ってきた。夕飯づくりの途中だったけど、大事なチャンスなので手を止めて読んだ。
7歳児の反応は素直でとってもかわいかった。照れたり驚いたりしながら最後まで食いついてきいて、質問もいっぱいしてきた。最後にはよくのみこめた様子。
読み終わってからへその緒を見せたら喜んでいた。
その後、嬉しそうにしばらく赤ちゃんの時のアルバムをめくっていた。
読み聞かせの途中で帰ってきたパパにも、「こんな変な本読んでたんだよ」と報告にいって、自分が生まれたときの話を聞いていた。立ち合い出産で大感動した夫は、あの時のことをにこにこ話してくれた。
私も、息子も、夫も、ふんわり幸せな気持ちになった。
この本、名作。