推せる靴屋のお兄さん

よく行く靴屋のお兄さん、かなり推せる。いつも息子の靴を買うのだけど、丁寧な仕事ぶりに毎回助けられる。「あなたからなら買います!」という推し店員さんを指す言葉があった気がするけどなんだっけ?忘れてしまったけど、所謂それ。それよそれ。

成長が速いこどもの靴選びはかなり難しい。

中敷きを入れれば履けるギリギリを見極めて、0.5センチくらいは大きいのを買いたい。ジャストを買うと、冗談でなく23ヶ月で履けなくなってしまう。

実際上履きを2ヶ月履かずにサイズアウトさせてしまった苦い経験あり。メッシュがいいからとこだわって買ったもの。まだ真っ白であまりに惜しかったので、名前を消して後輩にお譲りした。あまり頻繁に買うのはお財布にも痛いし、エコじゃない。足に馴染む間もなく硬いままなのも良くない。

と言っても、まだ靴紐は結べないお年頃の息子。大きめの靴でも紐をキュッとしめて履く、という裏技は無理。まだマジックテープタイプだからあまり大きいサイズは選べない。それでも一丁前に好みの履き心地やデザインはある。欲しい靴のいい感じのサイズの在庫がいつもある訳はなく、一足買うのもなかなかの大仕事。

でも、習い事でも身につけるものでも、読む本でも今日のお菓子でも、なんでも「自分の好みで選ぶ」というのは大事だと思う。そうやって選んでみて失敗したり成功したりを繰り返して、センスを磨いていくのだから。だから大人のセンスや都合で「これにしなさい」は言いたくない。お互いが納得できるまで試着して探す。

私は父が着道楽で、服、靴、帽子にこだわりがあり、子どもの靴もシューフィッターばりにしっかり選んでくれた。選び方も教えてくれたお陰で、パンプスやハイヒールを履いてきた今も外反母趾はなく、足は健やかで靴大好き。父の教えにより、成長過程のこどもの足はしっかりした靴で保護しなくてはと思うので、試着して入念にチェックして買う。ある意味面倒な客かもしれない。

推しお兄さんは、そんな私たち親子にも優しい。にこやかに在庫を探して並べてくれて、優しく履かせてしっかりチェックしてくれる。今回は6足も申し訳ないけど、0.5違いでデザイン違いでとなると、事前に絞ってもそれくらい試着することになる。メーカーによって幅や深さやフィット感が違うので、履いてみなければ買えない。そんな面倒な試着に終始付き合ってくれて、靴ごとの特徴(最近の靴はそれぞれにギミックが!)を教えてくれて、シューフィッターとして確認してくれて素晴らしい仕事ぶり。私は靴の選び方を心得ているから、母と子だけで選んでもいいけど、それだと間違いなく喧嘩になる。そこに推しお兄さんが介在することにより、客観的にサクサク選べるところもありがたい。

と、まぁここまでは靴屋さんなら当たり前の仕事ぶりかもしれないけど、彼はそれだけではない。息子は気に入った靴は「履いて帰りたい」派。毎回それにも対応していただいて、その手際の良さと丁寧さが一番の推しポイント。 

息子の気が変わらないうちに、選んだ靴のタグが外され、ササッとお会計。これは母も助かる。また気が変わって一から選び直しーなんてなったら体力がもたない。と同時に、息子が履いていた草臥れた靴が、なぜかちょっとシャンとして薄紙に包まれて袋に入れられている。早業すぎて毎回謎。お兄さん、手何本あるんです?

お兄さんの早業に息子はご満悦。母も感心感服。納得の買い物。

今回は息子の洗い替えのスニーカーと、私のスーツ用のパンプスを購入。靴は生活を支えるもの。あのお兄さんの仕事は、明日からの日々を支えて応援してくれている訳でこれからも大いに推して推して推しまくっていこうと思う。

catswhiskers について

言うまでもなく猫好き。隠してもばれる程度にお酒好き。 こどもにはこどもらしく過ごせる時間を。大人には大人の世界を。 なるべく自然の中へ。こどもは育ち、母はほっと一息自分の世界へ…そういう子育ての日々。 「人よ、寛かなれ」色々あるけど「落ち着け、私」。
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