自分ごと夫婦ごと他人ごと

夫の緩和治療、抗がん剤を追加するか迷っていたのだけど進捗があった。

今日の診察で「途中でやめてもいいから使ってみよう」となった。月末にとりあえずは一回。大きい病院のせいか、何事も方針が決まったらすぐ具体的に進んでいくのがありがたいようなこわいような。

「家族との時間と仕事(お客様)を大事にしたい。緩和しかできないなら、動けなくなるような激しい治療はしたくない。治療の副作用で入院したり体力が落ちたりして時間を無駄にしたくない。」が夫の確固とした意思。

放射線治療は、一度経験済みの夫の場合大きな副作用が出るほどの線量はもうできない。ある意味安心、ということで早々に実施。最近その反応が落ち着いてきて、体調も悪くない。そろそろ抗がん剤も加えるかどうか考えましょう、と言われて半月くらい悩んでいた。悩んでいた、というのは「夫が」悩んでいたということ。こればかりは自分で決めるしかないので、妻といえどもあれこれ言えない。私は逡巡する夫を見て心配していた、というのが正しい。

家族としては、お医者様にすがる気持ちで「できる治療は全部やってほしい」と安易に考えてしまいがち。でも、あくまで決めるのは本人。治療のつらさも副作用の体調不良も引き受けるのは本人。家族が無理に治療をさせることはできないし、本人の覚悟や納得のない治療は、緩和のようなシビアな段階では逆効果にもなり得るというのは分かる。

家族サポートの面談をしてくれた看護師さんも「できると言われた治療をあえてしない選択ができる人は珍しい。よく考えて自分で決められる人なんですね」と言っていた。その通りの人だと思うし、それを信じて私は見守るしかない。

どこまでを自分事と捉えるか、どこまで夫婦事として一緒に決められるか、どこからを夫自身のことと切り分けるか…心のコントロールがかなり難しい。

catswhiskers について

言うまでもなく猫好き。隠してもばれる程度にお酒好き。 こどもにはこどもらしく過ごせる時間を。大人には大人の世界を。 なるべく自然の中へ。こどもは育ち、母はほっと一息自分の世界へ…そういう子育ての日々。 「人よ、寛かなれ」色々あるけど「落ち着け、私」。
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